防衛省見学

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記録に残る関東甲信地方の梅雨明けとなった6月29日から4日後の7月3日。焼けつくような暑さの中、新宿区市ヶ谷にある防衛省の見学に行ってきました。

防衛省は、日本国憲法第9条のもと、日本の国防を所管する行政機関であり、国家行政組織法3条および防衛省設置法2条に基づき内閣の統轄の下に設置されています。現在の防衛省大臣は、小野寺五典(いつのり)氏、同副大臣は山本ともひろ氏、同大臣政務官は福田達夫氏と大野敬太郎氏になります。

任務は「防衛省設置法」が「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つことを目的とし、これがため、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊を管理し、及び運営し、並びにこれに関する事務を行うこと」(3条1項)と「条約に基づく外国軍隊の駐留及び日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の規定に基づくアメリカ合衆国政府の責務の本邦における遂行に伴う事務で他の行政機関の所掌に属しないものを適切に行うこと」(3条2項)と規定されています。

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さて、見学の第一段階は事前に提出した見学者名簿と、持参した学生証や身分証明書を照合しての本人確認です。正門横の待機所に集合した私たちは、提出した見学名簿順に整列し、本人確認をしていきました。本人確認が終わったら、「見学者用立入証」を首から下げて、正門から入ります。

 

 

 

正門を入り、庁舎案内図の前で見学案内担当の防衛省大臣官房広報課の伊藤さんから見学コースや注意事項の説明を聞きました。防衛省市ヶ谷地区は、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊全てを統べる日本の中枢であり、地域内に起居する自衛官を含め、約1万人の職員が勤務するために必要な施設が配置されていて、その広さは東京ドーム5つ分になるそうです。また、庁舎がある場所は、東京23区内で一番高い場所にあるそうです。

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伊藤さんの説明を聞いて、屋根付きのエスカレーターをのぼったら、程なくして儀仗広場に到着します。儀仗広場は、防衛大臣の就任の際や海外からの国賓を儀仗兵が迎える公式行事が行われる場所です。三本の旗柱の真ん中に日の丸が掲げられている日は賓客がない印。賓客がある時には、日の丸と賓客の国の国旗が掲げられます。

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儀仗広場でA棟、B棟、C棟の説明を聞いているときに、ちょうど小野寺大臣がA棟に車で到着しました。我が校の日頃の行いの良さは、ここにも現れたのかもしれませんね。

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儀仗広場を後にして向かった先は、市ヶ谷記念館です。靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて中に入りました。いまでは「市ヶ谷記念館」と呼ばれるこの建物は、旧陸軍士官学校本部として建造され、庁舎建設に伴い移設・復元された旧1号館です。

 

 

 

 

 

中に入り正面を望むと、壇上に掲げられた「玉座」の文字が真っ先に飛び込んできました。後の説明で、玉座は奥行きが感じられるように遠近法のデザインが用いられ、一方、玉座から望める2階部分など人が立つ場所は、全てが低く見えるよう工夫がなされているとのことでした。

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ここは、極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判で法廷として使われた大講堂です。1階にて、ビデオを鑑賞して、市ヶ谷記念館の歴史について説明を受けました。大講堂に敷き詰められているのは、30センチ角のナラ材7200枚で、その大部分が創建当時のものをその位置も再現して復元されたという床、そして照明、玉座、階段などについても興味深く説明を聞くことができました。ショーケースの中に展示されている軍服や刀、戦争当時の遺品や資料なども見学することができました。東京裁判が行われた当時のフロアに私たちが立っているというその事実が不思議で、歴史の深さを感じさせられました。

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また、市ヶ谷記念館は「仮面の告白」「潮騒」「金閣寺」など数多くの作品を残した文豪の三島由紀夫が1970年11月25日に自衛隊の決起を促す演説をして、自決した場所でもあり、そのバルコニーもそのまま残されています。2階にdscn3990は天皇陛下の行幸の際に休息室として使われた「便殿の間」があり、そこには昭和9年に群馬県で行われた特別演習の際に撮影されたという総勢3,800人の整列写真が飾ってあります。最前列には昭和天皇。そして山本五十六大将、鈴木貫太郎大将、東條英機大将などの姿があります。約3,800名の将校には全てピントがあっており、最後方に並ぶ将校の顔も認識でします。これは、写真と同サイズのガラス乾板に撮影し、それを直接印画紙に焼き付けたからだそうです。最後列120名、最前列40名、総勢3,800名が並び始めてから並び終わるまでには、2時間以上も掛かったとのこと。とてもインパクトの強い写真でした。

 

市ヶ谷記念館を後にして向った最後の見学場所は、「厚生棟」です。厚生棟は防衛省に勤務する職員のための福利厚生サービスが提供される棟になります。私たちは、シアタールームで防衛省に関するビデオを鑑賞して、広報展示室を見学しました。

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暑い日の中の見学になりましたが、たくさんの知識を得られた防衛省見学だったと思います。また、メモリーゾーンや屋外ヘリ展示場、三島事件の刀の痕など、今回の見学で観ることができなかった場所は個々にまた見学してほしいと思います。
戦争がない世界は私たちの願いです。日本の平和は、国防や平和活動を担ってきた自衛隊の高い練度と尊い犠牲によって維持されてきたことを再認識しました。

 

今回お世話になった方

防衛省(防衛省大臣官房広報課記念館係)
〒162‐8801 東京都新宿区市谷本村町5-1
TEL 03-3268-3111

生徒の感想

A.Tくん
今週の火曜日は、防衛省の見学でした。市ヶ谷は行ったことがなかったので、到着するだけでも一苦労でした。あまりに猛暑で、汗だくになりながら移動していました。
初めて見る防衛省は、独特の雰囲気を持っていました。近未来的なエスカレーターがあると思えば、真横には自然が広がっていました。
ヘリコプターやジープ、防衛大臣など色々なものを見た後に、三島事件が起きたことで有名な建物に着きました。建物の概要、展示物、例の事件で有名なバルコニーや天皇の為に工夫された階段などを紹介されました。取り分けて興味深かった者は、天皇陛下が大きく見えるような視覚的効果が施された壁です。錯覚を用いて尊大さを増すやり方が面白く感じました。
その後、帰路で防衛省内を歩き回りましたが、自衛官が筋肉トレーニングをしていました。中々見れない光景なので、不思議と面白く感じました。
この見学を通して、「何か凄いところ」程度だった僕の防衛省への認識が変わりました。高台にある理由や地下通路の存在など、多少クリアになり、今日も出てきたので、今後は自分で掘り下げていきたいと思います。

S.Kくん
7月3日、防衛省の見学に行ってきました。初めに見学した場所は、東京裁判の舞台になった場所で、奥に天皇の玉座がありました。王座に上がるための玉座には、のぼりやすいように土踏まずの形に合うようにするなど、天皇への配慮にとても驚きました。床の板も移築の際、番号で保管して場所を基に戻したと言う事実に歴史を感じました。市ヶ谷記念館には、軍服も展示されていました。初めて見ましたが、かっこよかったです。行動から出て移動していると、ランニングしたり、トレーニングしたりしている人が何人かいました。やはり、体力は大事だそうで、色々な器具がありました。防衛省の中には、まだ驚く発見がありました。散髪屋やコンビニ、カフェなどがあり、一つの町みたいでした。その後、自衛隊の話を聞きました。自衛隊の制服や紋章も見学出来ました。制服や紋章はオシャレな印象を強く受けました。一日見学してみて、防衛省や自衛隊の印象が変わりました。初めて気づくことが多く、いろいろなことが知れたので良かったです。

 

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