豊島清掃工場見学

環境問題で一番身近なものとして挙げられるのはやはり「ごみ」の問題でしょうか。ごみの排出量は年々下がってきてはいるようですが、それでも1人1日当たりのごみ排出量は約807g、一年間で考えるとおよそ294kgになります。東京都の人口が約1386万人なので、東京都の一年間のごみの量は294kg×13860000・・・大変な量のごみを私たちは出しています。だからこそごみを処理する施設が必要になってくるわけですね。

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東京23区内の清掃工場は全部で21ヶ所、うち19ヶ所が稼働しています。その中の一つ、豊島清掃工場は地上6階、地下3階の建物で、煙突の高さは210mもあります。

工場のミニチュア模型

また、「ごみを処理する過程で生じる環境への負荷を最小限にする」という基本理念のもとに建設され、1.地球環境・地域環境との共生、2.資源・エネルギーの循環、3.地域社会との共存の3つを基本コンセプトとしています。ごみ収集車で各地域から集められた可燃ごみは、清掃工場に到着してから、まず最初に重さを量ります。これはごみの量の把握や廃棄物処理手数料の計算などに利用するためです。そしてその後、こみバンカにいったんためておき、ごみクレーンでごみをかき混ぜて均一化します。水分を含んだものと乾いたものが混ざっていると安定してごみが燃えませんからね。そして800℃以上の高熱で24時間連続で焼却します。燃えた灰はセメントの原料として資源化もされます。そういった大まかな説明を受けていざ、工場内見学へ。

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まず最初に見たのは分析室でした。ここで%e5%9b%b32は排水などを分析し、そのデータに基づき工場を維持・管理・運転をしています。

そのあとプラットホームを見学し、ごみの搬入に適していないものの例を見ました。紐やのぼりは燃えるものなのになぜか不適物に入っていました。その理由は豊島清掃工場では50cm以上のごみだとスクリューに絡まってしまう可能性があるため。それなのに気にせずに捨ててしまう人が多いようです。また、ホチキスの針やクリップなどの小さいものも要注意です。これらは燃え残ってしまい、装置に絡まってしまうこともあるそうです。塵も積もれば山となる、と言いますが・・・。それらが装置に絡まってしまうと、いったん機械を停止して人の手で取り出すしかありません。そうならないためにも、私たちはきちんとごみの分別をする必要がありますね。

続いてタービン発電装置、灰バンカ、排ガス処理設備と見学していきました。排ガス処理設備内の温度は約20℃dsc_1320。それほど暑くないように調整しているのかと思いきや、夏になると室温50℃を超える日もあるのだとか。職員の皆様は常に熱中症と戦っているようですね。

ここでは設備内で使っているフィルターの見本も置いてあり、触ることもできました。

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ごみバンカではクレーンでごみをかき混ぜてごみを均一化しているところでした。ごみを運んでいるごみクレーンバケットは重さ3.5t、幅3.8m、高さが2.3m。生徒と比較するとその大きさがはっきりとわかりますね。このクレーンは最初黄色の塗装がしてあるのですが、使ううちにどんどん塗装がはがれてきてしまうのだとか。塗料のはがれているクレーンはそれだけ多くのごみを運んだベテランなのですね。

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私たちは日々何かしらのごみを出して生きています。しかし、どんどんごみを増やしてしまえば、埋め立て地がすぐになくなってしまいます。私たちはできるだけごみを減らし、埋め立て地をできるだけ長く使うことができるように努力しなければなりません。そのためにリデュース(ごみを減らす)・リユース(使えるものは捨てずにまた使う)・リサイクル(資源として生かす)の3Rを実践していかなくては。そしてゴミ出しのルールもしっかりと守っていかなくてはいけませんね。

今回お世話になった方

豊島清掃工場
〒170-0012 東京都豊島区上池袋2-5-1

生徒の感想

K.Gくん
今回は豊島清掃工場を見学しました。工場内はとても広く、想像していたよりきれいでした。実際にごみ処理する流れを見ることができました。プラットホームではごみを集めてきた収集車の出入りが頻繁でした。1回1回扉を閉めたり、水できれいに掃除するなどの工夫に感動しました。ごみバンカにはごみが大量にありました。ごみがごみに見えませんでした。間近でごみクレーンがごみをかき混ぜる工程を見ることができ、その迫力に驚きました。また、ごみを燃やす過程で発生する水蒸気を利用して発電したり、煙突を高くすることで周辺の建物に悪影響が出ないようにしたりと環境に配慮した工夫が見られ、とても感動しました。豊島清掃工場を知っていく中で、区民の協力も大切だと思いました。紐などの長いものを入れないことや、分別をしっかりすることで工場がスムーズに動きます。工場と区民とが協力して成り立っているものなんだと強く感じました。自分はごみ捨てに関してすべて親任せなので今後は自分からも積極的にやっていきたいと感じました。

M.Tさん
今回の総合学習を通して私は分別することの大切さを改めて知ることができました。理由としては、分別をしないと機械の故障につながる恐れがあるからです。機械が故障してしまうとそれまでの動作が止まり、作業を効率的に行えないため、ごみを出す前に分別することが大切です。また、もう一つ理由があります。それは分別をすると資源としてリサイクルできるからです。ごみの中にはもう一度資源として使用できるものが多く存在します。ごみを分別して出すと、資源として使えるものをリサイクルルートに乗せることができます。しかし、分別しないで「燃えるゴミ」や「燃えないゴミ」として出してしまうと、すべてが燃やされたり埋め立てられたりされ、本当は資源になったはずなのにリサイクルできなくなってしまうのです。以上の二点より、私は分別して資源を無駄なく利用していき、社会の一員としてなすべき責任を果たしていこうと思います。

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