気象庁見学

2月3日(火)の節分の日、気象庁に行ってきました。気象庁は、大手町の皇居のお堀に面し、東西線竹橋駅の4番出口の目の前にある築60年の建物です。老朽化が進み、近々虎ノ門に移転するとのこと。(広報室田中さん談)
気象庁
田中さん①
今回の気象庁見学では、広報室の職員の方に実際に天気予報を作成する部屋(予報総合現業室)と地震火山を監視する部屋(地震火山現業室)を案内していただきました。「今日は私の33歳の誕生日です!」との挨拶で始まった広報室田中さんのガイドツアー。「おめでとうございます!」とみなから祝福され笑顔の田中さんは、分かりやすく気象庁の仕事について説明してくださいました。広報室の職員は、常に携帯電話を肌身は出さず身につけ、夜中でも呼び出しがあると気象庁に駆けつけて、記者会見を開くとのことです。
3階の予報総合現業室では、気象衛星ひまわりから送られてくる気象レーダーやスーパーコンピューターが計算した数値予報をベースに実際の気象情報を見ながら天気予報を作ります。 「全国予報中枢」は、全国の天気予報の司令塔であり、それを作る職員はみな天気予報のプロフェッショナルと言えるのではないでしょうか。
予報総合現業室
予報総合現業室
航空予報
航空予報中枢
スパコン情報
スパコン情報
予報官のリーダーは予報班長と言い、東京本庁舎には5名。班長は、天気予報を決定し、注意報・警報等を出す権限を持っています。とても重要な任務を担っている窓越しにみる班長の背中には、ずっしりとした重圧と緊張感さえ感じられるようでした。
予報班長
予報班長
地震火山現業室地震火山現業室
さて、日本は世界でも有数の地震・火山国です。記憶に新しい東日本大震災の地震と津波、御嶽山噴火、また今年で20年となった阪神・淡路大震災や雲仙普賢岳噴火などによって多大な被害を受けてきました。地震や津波、火山噴火による被害を軽減し、国民の命や財産を守るために24時間体制で地震や火山の監視をしているところが2階の地震火山現業室です。日本にある110活火山のうち、47の火山の活動を監視しているそうです。「さて、みなさん。地震は体に感じないものも含め、一年間に何回くらい発生していると思いますか?」田中さんから問題が出されました。「何百回?」「もっと、もっと」「一万回?」「もっと、もっと」正解は、10万回だそうです。地震が発生すると、職員は一堂に会し、その地震について解析し、津波警報などを発表します。地震後すぐにテレビ画面に震源地、震度などがテロップで流されますが、それはこの部屋から発信されています。
私たちが見学した現業室からの気象、地震、津波、火山活動などに関する情報は、いつでも無料で発信されています。(田中さんによると、気象庁の予算は年間600億円なので、一人が気象庁から得る気象情報は一日2円相当になるとのこと。)また、気象、地震、津波などの現象は、国境を越えて及ぶことから、これらを把握するには国際的な協力が必要であり、気象庁は、各国の 気象機関や国連の世界気象機関との緊密な連帯を図っているのだそうです。気象庁が発信する情報は、自然災害から私たち国民の生命・財産を守るための防災気象情報のほか、交通の安全を支援する交通安全情報、農業、電力、観光などの各種産業活動を支援する産業情報、国民の日常生活に役立つ生活情報、さらには人類の将来に警鐘をならす地球温暖化など地球環境に関する情報などがあり、各方面で多彩な役割を果たしています。 普段何気なく見ている天気予報や災害、そして日々の生活を支える天気予報は、365日24時間体制で観測・監視しながら働く気象庁の職員方のおかげで発信されているのだと学ぶとともに、感謝の念に尽きません。
記念写真
気象庁本庁舎1階
広報室前にて
現業室の見学の後に気象庁の本庁舎1階に併設されている『気象科学館』を見学しました。気象科学館は、気象庁の仕事を紹介したり、災害から身を守る方法を伝えたりするために1997年に開館した施設です。入り口では、気象庁のマスコットキャラクター「はれるん」が出迎えてくれ、様々な気象に関する展示物や地震や火山の学習、津波シュミレーターや自然災害の原因や発生の仕組みなどを映像で紹介するミニシアターがあります。
はれるんくん
マスコットのはれるんくんがお出迎え
津波シュミレーター
津波シュミレータ―
震度計
震度実験装置
最新の地震計を流用した地震発生マシン。
震度7は結構振幅と速さが必要です。
火山観測
気象科学館見学の様子
災害対策は、国の危機管理の中でもとても重要なものです。私たちが住む首都圏でも今後起こりうる直下型地震の可能性は否定できません。私たちが住む日本は、四季折々の美しい自然に恵まれた国です。しかし 、自然は時に美しく、時に恐ろしいものだということを忘れてはいけません。自然は容赦なく私たちに襲いかかることもあるのです。気象庁の現業室、気象科学館の見学を通して、気象庁の仕事と役割を学び、気象に関する理解を深めた一日となりました。
地球環境
地球環境の展示

今回お世話になった方

気象庁本庁
〒100-8122 東京都千代田区大手町1-3-4
TEL:03-3212-8341
現業室見学には予約が必要です。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/kagakukan/guide.htm

気象科学館 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/kagakukan.html

気象庁本庁舎1階
入場料 無料
開館時間 10:00~16:00

生徒の感想

Y.Kくん
私が気象庁に見学に行ったのは初めですが、とても楽しかったです。災害をシミュレーションした装置や映像などがあり興味深かったです。このような研究により災害を防ぐことができ、人々がより安全に生活していくことができるのだと思いました。また、24時間体制で機能しているのもとても安心できました。

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