朝日新聞東京本社見学

%e9%9b%86%e5%90%88%e5%86%99%e7%9c%9f   1月16日(火)、中央区築地にある朝日新聞東京本社の見学に行ってきました。
「朝日新聞」と言えば、誰もが知る日本三大紙(読売・朝日・毎日)の一つで発行部数は614万部で全国2位になります。世界的に見ても日本のランキングがそのまま世界の新聞発行部数のランキング(世界新聞協会2016年)になり、1位から3位までは日本の三大紙が占めています。発行部数はデジタル化が進んだ現代において、年々少なくなってはいるものの、新聞を読むという習慣は日本においてはまだまだ健在と言えるかもしれませんね。

朝日新聞東京本社見学ツアーは、会社案内の%e8%a8%98%e5%bf%b5%e3%81%ae%e6%96%b0%e8%81%9eDVDを視聴し、その後に報道・編成局、印刷工場、発送室と見学するツアーとなっています。会社案内のDVDの視聴をする前に読者ホールにて記念撮影をしていただきました。この写真は帰りのお土産となる貴重な記念写真入りの朝日新聞となります。
DVD視聴では、朝日新聞社について、そして新聞社の仕事や役割について学びました。新聞記者には、「取材記者」と「編集記者」の2つがありますが、日本各地、世界各地に赴き取材する記者の姿と彼らの仕事に向かう心構えやこんな仕事をしたいという明確なジビョンに心を動かされました。
朝日新聞社には、社員約4,400人(従業員数は約7,200人)が働いていますが、そのうちの約3,100人もの社員が東京本社で働いています。国内の約300の取材拠点、そして海外の37拠点から事件、政治、経済、スポーツ、文化などあらゆるニュースや出来事が送られてくる東京本社は、朝日新聞の心臓部であり中枢だと感じました。
DVDの視聴が終わると5階の報道・編成局を見学しました。
各地から届く原稿から、その日の新聞に載せる記事を決める5階の新聞制作は、要の場所と言えるところです。
入室する前に、記者は取材内容をデータ通信で送るが昔は伝書鳩を使っていたとか、広いフロアには部署という枠を超えて協力して仕事ができるように、また情報の流れをよくするという目的から仕切りがないということ、新聞紙面の「頭」や「肩」と呼ばれる場所について、東京本社には5人の当番編集長がいる等々を解説していただきました。
確かに室内には仕切りはなく、唯一仕切りがあるところが「デスクルーム」でした。我が校で朝日新聞東京本社の見学に行ったのは2回目になりますが、前回行ったときには、確か編集長は3名でした。現在は5名(1名が女性)と増えていました。
次に地域欄を作成している4階を見学しました。地域欄は朝刊掲載のみで、午後からの出勤で夕方から夜中にかけて仕事をするため、人気のない静かなフロアの見学となりました。天井から吊りさげられた都道府県のネームプレートの下で、その地域の出来事がニュースとなっていくのだと感じながら、室内を見渡しました。
そして、3階の印刷工場を見学する前に、新聞印刷の歴史について学び、実際にオフセット印刷を体験しました。昔は、1枚18キロもある鉛板に、1分で50文字の速さで字をはめ込み、版画のように印刷していたとのこと。現在は「刷版」というもので、重さはわずか180グラム。最新鋭の機械は、一度に40ページの印刷が出来て、そのうち16ページのカラー印刷ができるそうです。20ページの夕刊では、1時間に18万部も印刷できるそうです。18万部ということは360万ページ…。しかもA4サイズではない、新聞サイズ…。すごいことです。技術の進歩におどろくばかりです。

2%e6%9e%9a%e4%b8%a6%e3%81%b3%e7%94%9f%e5%be%92%e3%81%9f%e3%81%a1輪転機の説明と体験をした私たちは、いよいよ工場内に入ります。工場近くになるとインクの臭いが漂ってきます。このインクの原料は誰もが想像だにしなかった納豆の原料である「大豆」。時速49キロで印刷する高速オフセット輪転印刷機は、目にも止まらぬ速さで印刷していました。

 

 

 

 

 

 

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最後に地下1階の発送室に行きました。印刷された新聞はコンベアで発送室に続々と運ばれて、自動的に宛名紙を乗せ、梱包されていきます。輪転機で新聞を印刷した後、少しでも早く読者に届けるべく、即座にトラック等で各地の販売店に輸送します。そのため、トラック輸送に適した梱包を作り、行き先別のトラックに自動で選別搬送するなど、様々な新聞の発送設備が存在しています。

 

 

 

 

今回の朝日新聞東京本社見学を通し、新聞がどのようにして作られているのかということを学びました。新聞を購読していない家庭も多くなった昨今ですが、やはり世の中の情報を得るためには最高のアイテムと言えるかもしれません。また、我が校の生徒は大学進学を目指す生徒がほとんどですが、朝日新聞は「大学入試に強い新聞」と言われています。新聞に載った記事や文章が、毎年、日本全国の大学の入試問題として使われていますが、朝日新聞のそれは他の新聞よりも多数採用されています。インターネットやソーシャルメディアは、私たちの暮らしに欠かせない便利なメディアですが、そこには不確かな情報も大量に飛び交っています。テレビやネットからニュースや情報を得ている生徒も多いと思いますが、これを機に新聞をじっくりと読んでみてはいかがでしょうか。新聞は世の中を学ぶ教科書のようなものだと思います。
日本における新聞の始まりは、江戸時代以前から存在していた「瓦版」とされています。木版を用いて紙に刷られた瓦版には、天変地異や大火、心中といった事件などの速報記事が書かれていました。街頭で大きな声で読みながら売り歩かれていたので「読み売り」とも呼ばれ、江戸時代後期には庶民にとって大変身近なメディアでした。現在の紙媒体の新聞は、幕末から明治時代に欧米を真似て作り、国民に広まりました。どの時代においても新聞は、私たちに確かな情報を届けてくれる重要な役割を果たしてきています。
ネット社会の現代に生きる私たちですが、新聞という素晴らしい教科書をもっと活用して自身の成長につなげていきたいと思えた朝日新聞東京本社見学でした。%e6%8e%b2%e8%bc%89

 

今回お世話になった方

朝日新聞東京本社
〒104-8011 東京都中央区築地5-3-2
TEL:03-3545-0131(代)
朝日新聞東京本社見学のご案内
https://www.asahi.com/shimbun/company/tour/tokyo.html

 

生徒の感想

T.Tくん
中学の時までは、家で新聞を取っていて、中1の時は親が新聞を読ませるために「中高生新聞」なるものをとっていたので、少しは読んでいた思い出はある。ただ、やはりあの量の文字を見るのが嫌いで読まなくなり、最近では新聞は取らずにニュースを見る日々になった。さらにスマホという便利なアイテムが世の中により多く出回るようになってから、アプリなどもでて、そこで何度か新聞のアプリを入れたこともあった。でも結果、ラインなどのアプリがニュースを出すようになり、そっちを見た方が楽だから読まなくなり、とあんまり触れていない新聞が今回の見学でどのような方法で作られているのかを自分の目で見たら、少しずつでもまた読もうかなという気分になった。
一番驚いたのは、昔はどうやって新聞を作っていたのかを説明してもらった時で、作るのにも時間や費用がえげつないなと思わされた。一方、時が経つにつれて技術が進化していくから、今のようにアプリなどで新聞が読めるので、一度初心に帰ってみるつもりで、また興味のあるような所だけでも読んで、興味を持てるものにしていきたいと思った。

M.Iさん
今回の総合学習は、朝日新聞(東京本社)の見学だった。
見学はDVDでの説明から始まって、様々な工程があって新聞が作られているということが改めて分かった。何気なく読んでいた新聞でも、取材記者の方が取材を繰り返して得た情報から作られたり、編集者の方が細かい作業をしたりすることによってできているものだと分かった。以前はあまり気にしていなかったが、よく考えてみるとそうやって大変な作業(新聞を届けるまでの工程)があるにもかかわらず、毎日決められた時間にしっかりと印刷され届けられているのはすごいことだと思った。
実際に中に入って見学した「報道・編成局」では、パソコンを使って社員の方々が真剣に作業をされていた。DVDの中で新聞に印刷されている内容一文字一文字を赤鉛筆で確認するという作業が紹介されていたが、そのための赤鉛筆が大量に置かれている場所もあった。
朝日新聞には、朝日新聞デジタルというものもあり、新聞紙だけでは伝えきれない最新の情報がインターネットならではの機能を使って、より分かりやすく情報を伝える工夫をしていた。インターネットでは、最新の情報をいち早く知ることが出来るが、それを伝えている記者の方々はどのようにそんなにも早く情報を得ているのだろうと少し不思議に思った。
新聞を目にする機会は少なくなったが、テレビやインターネットを通してニュースを見るようにはしているので、朝日新聞デジタルにも注目してみようと思った。また、新聞を見る機会があれば、今日の見学で得た情報などを踏まえて、以前は気にしていなかったような所にも目を向けてみたい。

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